見学を避けるべき学校

〜男子高校には行くな〜

 受験生は文化祭を見たほうが良いとはいえ、見ないほうが良い場合もあります。保護者が学校の様子を知るために見るのは良いのですが、生徒が志望校を見に行ったら悪い印象を持ち、受験したくなくなることも十分にありえます。東京・神奈川・千葉・埼玉を念頭に置いて、受験生は見学に行くべきかどうかを表にまとめると、こうなります。
  私立・国立の
 中学
 中高一貫の
 私立高校
 単独設置の
 私立高校
公立高校
男子校         △   × 埼玉の伝統校なら
共学校   ◎    ○   △   △
女子校   ◎    ○   △ .

高校単独設置の私立男子校には行かない方が良い

 高校単独設置の私立とは、付属の中学が同じ敷地内にない高校のことです。
有名私立校を例に取ると、日吉の慶応義塾高校、早大学院のような高校です。中学がついていない男子高校は、受験生が悪い印象を持つ要素が実に多く存在します。
(1)校舎が汚く、文化祭の装飾が少ない。(女子と違って看板を作るのが面倒)
(2)団体に参加せず廊下でうだっている生徒が多い。(クラス参加がないので暇な生徒が多い)
(3) 受験生・保護者が楽しめる団体は、模擬店くらいしかない。(お化け屋敷は女子だけしか入れない)
(4) 他校の女子生徒には、激しく呼び込みして袖まで引っ張るのに、男子受験生には全く声をかけずシカトする。(女子だけになれなれしく声をかける生徒は、ごく一部だけなのだが相当目立つので、半分以上の生徒が不純な生徒のような誤解を与えてしまう。)
 だから、高校単独設置の私立男子校の文化祭は、見学しないほうがよいでしょう。真面目な、というより頭の固い一部の男子は「こんな不真面目な高校は嫌だ」と拒絶反応を起こす可能性があります。「自由な文化祭でいいな」とプラスのイメージを持つ可能性もありますが、「絶対受けたくない」と決意してしまうかもしれないわけで、リスクが伴います。見学するなら文化祭以外の機会にすべきです。
 なお男子校でも、中高一貫の高校の文化祭は、上記の(1)〜(4)のイヤらしさは、かなり薄まります。有名校なら開成、海城、明大明治などですが、敬遠する必要は全く無いでしょう。

中学受験、とりわけ女子なら、ぜひ文化祭を見たい
 最も文化祭を見学したいのが、中学受験(小6)の女子生徒です。ちょうど高校単独設置の男子校と正反対の位置づけになるからです。
(1) 中学受験、特に女子校は校舎が、もともときれい。文化祭の装飾も、生徒がしっかりするので、見ていて美しい。
(2)中1中2は好奇心旺盛なので、全部の団体を見ようとする生徒が多く、廊下に座り込んで時間をつぶす生徒は少ない。生徒が生き生きしている。
(3) 受験生と保護者が主な客層の一つなので、受験生でもじっくり見て回れる発表が多い。
(4)中学生は文化祭で恋人を探そうという意識は低いので、小6の女子に対し中学生のお姉さん(女子の方がコミュニケーション能力は高い!)が丁寧に励ましてくれる。「来年ここを受験するの?頑張って合格してね。」などと握手してくれれば、滑り止めにと思っていた学校を第一志望にしたいと言い出して、逆に困ってしまう可能性すらあるかもしれません。