文化祭企画案内「装飾をどうする?」

【1】装飾の目的
 装飾をする最大の理由は、装飾することで中身も立派かな!?と感じてもらうことです。美味いラーメン店なら、装飾がなくても中身(味)が良いので長い行列ができます。しかし、文化祭は期間限定の1日か2日のお祭りですから、中身が良いとの評判は、ほとんどわかりません。どんないい加減な企画でも「すごいから、ぜひ来て」とアピールするので、生徒の評判は、あまりあてになりません。
 そこで、装飾で目をひいて、すごそうと感じてもらうことが、来場者を増やす近道になるのです。
 なかでも特に、演劇・飲食店・お化け屋敷の3つの出し物では、装飾が非常に重要となります。なぜなら、中身が一目で分からないからです。
 生物部の展示なら、展示室に入って1分見ただけで凝っているか手抜きか見当がつきます。詳しい人がバンド演奏の部屋に入れば、20秒聞いただけで演奏水準が高いかどうか判断できます。多くの団体では、短時間で見る価値がないと分かれば、次の団体の発表に行けるのです。
 しかし、演劇・飲食店・お化け屋敷は違います。演劇は、基本的に途中退出はできません。あまり面白くないと思っても最後まで観ることになります。飲食店では、美味いかどうかは食べてみないと、なかなかわかりません。お化け屋敷は、中がどうなっているか分かりませんので、長時間並んで入るしかありません。

 もうひとつ、装飾をしたい理由があります。それは意識を高めるためです。演劇なら演じるキャスト以外の人は、結構暇です。飲食店でも当日は忙しいものの、仕切る役員以外は毎日のように準備をする必要はないでしょう。装飾無しなら、一部の人は継続的に忙しいものの、それ以外の人は暇な時期が多いのです。これだと忙しい人と暇な人の意識に差ができてしまいます。「俺はみんなのために準備して忙しいのに、あいつらは何もしない。」というように意識に溝ができてしまいます。その溝を埋めるのが装飾です。
 装飾がなくても文化祭に参加はできますが、装飾をすれば全員が文化祭に時間をかけて取り組むことになり、一緒に取り組んでいるという意識が高くなります。そして、教室や廊下の装飾が少しずつできていくことで、文化祭が近いなということが実感できるのです。
 教室の外観を変えるだけでなく、生徒の意識も変えることにつながるのが装飾ですから、しっかり装飾して文化祭当日を迎えましょう。

【2】装飾の材料は?
紙で装飾をすることが多いのですが、他にどんな材料が活用できるのでしょうか。
「ベニヤ板」・・・丈夫で塗料が塗りやすい。費用が安くはないのが難点。
「アルミホイル」・・・光が反射するのが特徴。アルミホイルの装飾をライトで照らすこともできる。
「発泡スチロール」・・カッターでカットしにくければ、電熱線に電気を流して溶かしながら切断することもできる。表面がデコボコして見栄えしなければ、アルミホイルで包むと良い。
「ビニール」・・・ビニールハウスに使われるような農業用ビニールは、厚くて丈夫で大きいので活用できる。ホームセンターでも様々なビニールが売られている。
「色模造紙」・・・白い紙だと新鮮味ないが、色模造紙は雰囲気が出やすい装飾材料になる。
「英字新聞」・・・英字新聞1部で、廊下の広い範囲をおおうことができる。普段見慣れていない英字新聞は新鮮に感じる。上下をひっくり返したり斜めにしたりすると、装飾だとハッキリ伝わる。


【3】廊下の装飾


ベニヤ板で廊下の下から上まで、全部覆うと迫力ある装飾になる。

布や紙で装飾をすることもできる。ただし、材質は丈夫なものが良い。光沢のあるものだと更に良い。

ちぎり絵を発展させた装飾。ベニヤ板に、色で染めた「卵のカラ」を貼りつけて装飾にした。

デザインのセンスに不安がある時には、壁一面を市松模様にするのも良い。遠くからでも目立つ。

紙で葉を作って、緑のカーテンに仕上げた。発想が素晴らしい。

廊下の装飾を内側からライトアップして、陰を有効に活用している装飾。センスも見事。



【4】入口の装飾


入口は広くして入りやすくするのが原則。逆に入口の形を変えて目を引くと同時に中を見にくくし、何があるのかな?と思わせている。

展示教室の近くのトイレの扉の装飾。扉が汚くなっていたら、入口を装飾して、周りの発表の雰囲気を壊さないようにしたい。

教室の回転扉。面白い扉を作ると、とにかく入ってみたくなるから不思議。集客力アップにつながる。



【5】床の装飾


床に敷き詰めたベニヤ板に装飾を加えたもの。地理に関する発表なので、地図の模様の装飾。

床の装飾にも、市松模様が使える。絵を書くのに慣れていない人でも分担できる、

床の上を来場者が歩くわけだから、汚れにくいようにビニールでおおってある。


【6】窓の装飾


ステンドグラスは、外からの光を活かした
装飾になる。作り方も分かりやすい。

黒い紙に穴をあけて絵を描いたもの。
丁寧に作ると美しい装飾になる。


【7】この他に
★天井
・・・廊下や教室の天井にも装飾ができる。ただし、天井には比較的やわらかい材質が使われていることがあり、セロハンテープをつけただけで目立つシミになったり傷ついたりすることがあるので要注意。

★服装・・・壁の装飾だけでなく、生徒の衣装も統一してイメージの共有をしたい。和風喫茶で日本茶に団子を出す店の店員なら、それに合った服装で接客したい。